箱プレイ

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絶対階級学園(PC)

絶対階級学園

シナリオ   …■■■□□
システム  …■■■■□
グラフィック …■■■■□
キャラクター…■■■■□
一番好きなキャラ…陸

良い…実験的なシナリオと構成、音楽
悪い…一部ルート、物語後半


区切り


《総評》


  • 特殊なシステムの学園を舞台にしたサイコサスペンス

  •  タイトルから、「特権を持っている生徒会みたいなのがあって、そこに所属する人達との身分差があるせつない恋愛物だろう」と思う人が多いと思いますが、全くそんな話ではありません。謎解きが面白いゲームなので詳細は書きませんが、学園物の楽しさも身分差恋愛の楽しさもこのゲームにはありません。
     それとVITA版はCERO:Dに設定されていますが、これはエロのせいではなく倫理に引っかかったからだと思います。つまり、人の道から外れたとても胸糞悪い展開のあるゲームなのです。エロは三国恋戦記程度ですので、そういうのが苦手な人でも問題なく遊べると思います。

     このゲームにタグを付けるなら、鬱、胸糞、気持ち悪い展開、bad、サイコパス、サイコサスペンス等になると思います。マイナスに感じる言葉が並んでいますが、面白いゲームです。ただし王道を外して一部のマニアに受けるような設定のゲームなので、こういうのは苦手という人はよく考えてから手を出した方がいいです。私は苦手なわりに楽しめたので、クオリティは高いと思います。それと、主人公がいじめられるような展開が多いので、そういうのが苦手な人は要注意です。

  • 絶対階級学園はこんな話

  •  主人公のネリは貧民区で父と二人暮らししているのですが、ある日何者かに父が連れ去られてしまいます。その時父が残した「櫂宮学園に行きなさい」という言葉に従い、ネリは良家の子女が通うという全寮制の学校で生活することになりました。しかしその学校には薔薇、ミツバチ、石ころという特殊な身分制度が敷かれ、下の者は上の者に絶対服従しなくてはいけないというルールがあったのです。
     こんな感じのストーリーですが、上にも書きましたけど、学校生活や身分差の恋愛を楽しむゲームではありません。学園の秘密、攻略対象の生い立ちについて探っていく、というのが基本の流れです。もちろん学校生活ですので、文化祭等の描写もあるのですが、舞台を学校でなく別のものに変えても成り立つ設定です。

     このゲームは特殊な構成になっていて、まず最初に石ころと薔薇という二つのルートに分かれ、次に真相ルートというのが開きます。メインは石ころルートなので、真相ルートは石ころの続きのような形になっています。なので、まずは薔薇、次に石ころ、真相と進むのが良いと思います。
     それともう一つこのゲームの注意点ですが、主人公のキャラが立っていて、ルートによって性格が変わります。主人公に自己投影するタイプのゲームではありません。ここまでキャラが立っているなら主人公にボイスがあっても良かったと思うのですが、ボイスはありません。

  • 不満な点について

  •  一人の攻略キャラがどういうルートでもクズ、真相ルートのコレジャナイ感、これに尽きます。前半だけでは謎は全部解けないので、真相ルートは必要です。でも前半部分と違い真相ルートは、一部が全キャラほぼ共通で同じシーンであるにも関わらずスキップできない、真相の内容のお粗末さ、この二つがとても残念でした。問題のキャラがいなくて前半までならシナリオは■5なのですが、問題のキャラで-1、真相のせいで-1となり、結果■3で落ち着きました。
     しかし問題の攻略キャラは、わざわざこういう人物に作っていると思うので、プレイヤーがイラッとしたなら大成功だと思います。このキャラのせいでコンプできないという人もいると思いますが、そういう人には強制スキップでメッセージを飛ばすことをオススメします。私も一部強制スキップを使用しました。

  • 万人向けではないが面白い

  •  誰にでもオススメはできませんし、好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思いますが、面白いです。正直私はこういうゲームは好きじゃないのですが、こんな万人受けしないことが始めから分かっているゲームを作ろうという意欲は素晴らしいと思いますした。製作者の気概を感じます。今後も箱プレイはDaisy2を応援していきます。
     普通の乙女ゲームに飽きた人、鬱展開、badが好きな人、不気味な話が好きな人、謎解きが好きな人には向いていると思います。学園物があまり好きじゃないという人も(苦手な部分にもよりますが)、楽しめるかもしれません。とにかく制服を着ている図、十代の人間が嫌という人には向きませんが、学校生活や文化祭等のイベントが嫌という人には問題ないと思います。そんな素敵な学校生活は、このゲームにはありません。

  • オススメ攻略順

  •  ハル→壱波→陸→十矢→レイ、この順番がオススメです。でもハルが一番大筋に関わってこないので、まずはハルからがいいと思いますが、壱波、レイ以外ならどのキャラでも問題ないと思います。私は陸→ハル→壱波→十矢→レイの順でやりましたが、それでも問題なかったです。
     大事なのは初回とラストに壱波を攻略しない、壱波の後には陸、ハル、十矢の誰かを配置した方がいい、この二点です。


    区切り


    《キャラ雑感》


    鷹嶺 陸
     彼には他の人のルートでも笑わせてもらいました。天然でツンデレでアホで、でも事情が分かってくるにつれて見方が変わる、面白いキャラでした。他社のゲームですけど、VitaminXの翼に近いタイプのだと思います。
     このルートのネリが一番好きなのもあり、お気に入りのルートです。


    鷺ノ宮 レイ
     いろんな要素が詰め込まれているので、好き嫌いが分かれそうなルートです。個人的には胸糞展開込みで面白かったです。続編があったら、もう少しあの隠された部分がクローズアップされるのかなあ。
     いろんな顔を持つキャラですけど、私はラストみたいな感じが一番好きです。


    加持 壱波
     知らない子です。


    七瀬 十矢
     陸がツンデレ坊ちゃんでレイが王子なら、十矢は兄貴です。全編通してそんなに印象が変わらないキャラなので、安心感がありました。いつでも頼りになる人です。ある意味聖域みたいな感じなので、つらいルートのあとに攻略すると幸せになれると思います。


    五十嵐 ハル
     購入前は特に気に留めていなかったのに、ダークホースでした。キャラとしては二番目に好きです。いわゆるショタ系ではなく、あざといタイプでもありません。かといって純情なタイプでもなく、いそうでいないタイプのキャラだと思いました。
     まだ若い声優さんなのであまり出会うことがなかったのですが、声もぴったりでした。笑いとシリアスの配分もうまく、シナリオの完成度は一番高いと感じました。


    その他
     このゲームは攻略対象でない、サブキャラの存在感がとても強かったです。特に鏑木の気持ち悪さと言ったらもうね。普通に乙女ゲーの攻略対象もやってらっしゃる声優さんなので、多分落とせるんだろうなーと思っていましたが、ゲームを終えた今は、ルートがなくて本当に良かったという気持ちでいっぱいです。
     あとは玖珂兄妹が地味に好きです。イラッとするシーンが多いんですけど、こういう根暗タイプは存在が可愛いと思えてしまうので、少しでもいいシーンがあると好きになってしまいます。もうちょっと後日談的なものが欲しかったなあ。
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