十三機兵防衛圏 感想
《総評》
昨今は派手なオープンワールドの大作というのが注目されがちですが、それとは真逆のゲームです。派手さはないし、何なら地味だし、人がボコボコ死んだりするような激しい展開もありません。80年代を舞台にした、ノスタルジックで静かな物語です。
最初はガンパレードマーチに似ていると思って始めたのですが、実際やってみると80年代、90年代に流行った白泉社のSF少女漫画のようなストーリーだなと思いました。ゴジラや雑誌のムー、昭和の終わり、20世紀末、エスカフローネ辺りのキーワードにピンと来る人には刺さるものがあると思います。
現在体験版が出ていますが、私はOP画面でほぼ購入を決め、戦闘などの操作をざっと見てからすぐ予約しました。アドベンチャーゲームが好きでシミュレーションバトルが苦手でなければ、このゲームをやらない理由はないと思います。オススメです。
体感では全体の70%がADVパート、残り30%がバトルというくらいです。バトルにはそこまで時間がかかりませんが、それなりに回数をこなすので苦手な人は要注意です。でもノーマルでもSを取れるくらいの難易度ですし、どうしても苦手な人は難易度をカジュアル(イージー)に下げることも可能です。
ゲームはADVパート、バトルパート、資料パートの三つに分かれていて、ADVパートでは13人分のストーリーが展開されていきます。システムはSIRENに近く、Aのキャラの行動が後にBのキャラに影響する、なんてこともあります。一応分岐はあるものの全ルートを見ていくことになるので、ほぼ一本道です。最初はよく分からないまま進行していきますが、ここで無理に理解しようとせず、そういうものなんだなというくらいで進めていくと、中盤以降に謎だった空欄がどんどん埋まっていきます。
私はメモを取りながらやっていたのですが、シナリオが丁寧なのでメモがなくてもちゃんと分かるようになっていました。
公式PVだと絶体絶命とか絶望的状況みたいな雰囲気ですが、実際は一人でも戦闘中に死んだら作戦失敗でやり直すことになりますし、全員生き延びるというのが目的のゲームです。こういう雰囲気の話にありがちな、一人ずつ脱落して最後に主人公が巨悪を仕留めるという展開はありません。
ネタバレになるので多くは語りませんが、みんな希望ある未来を目指しているので、出会いがあったから別れがあるなんてことはありません。ハッピーエンドです。
バトルモードは最初はとっつきにくいですが、緒方、比治山、関ヶ原(第一世代)は近接攻撃型、鞍部、冬坂、東雲(第二世代)は補助と攻撃のどっちもできるバランス型、南、三浦、如月(第三世代)は遠距離攻撃型、薬師寺、鷹宮、郷登、網口(第四世代)は攻撃型ドローンを飛ばしたりシールドを張ったりなどトリッキーな動きをするタイプ、という役割の違いを覚えたらすぐできるようになると思います。
中盤くらいまで攻撃の要になるのは第一世代、第三世代で、第一世代はアーマー貫通技の『デモリッシュブレード』と、飛行型の敵を落としたり硬い敵の防御を下げたり動きを止めたりダメージを与えたりなどが同時にできる『E.M.P.アトラクター』か『E.M.P.サラウンディング』のどちらかをとりあえず鍛えておけば何とかなります。第三世代は『長距離ミサイル』、『ミサイルレイン』、この辺りから覚えていくといいと思います。第三世代には捨てスキルがありません。
万能型の第二世代と第四世代ですが、第二世代は囮の設置や回復などの補助的な行動をするのが無難だと思います。基本的に第一世代以外はターミナル周辺に固まったままになるので、敵に近くまで来られた時なんかは第二世代が攻撃することになります。第四世代は強力な攻撃型ドローンを放つ『インターセプター』という技を覚えるので、EPが尽きるまでこの技を連打するだけでとても強いです。でも鷹宮は『レッグスパイク』を鍛えて近接攻撃をするのもアリです。
以上の主要な兵装を解放して装備したら、あとは全てマックスになるまでターミナルを強化します。各キャラの兵装を育てるのは、ターミナルをマックスまで強化したあとです。最初はメタチップが足りなくて大変ですが、中盤以降、ミステリーポイントが転用されるようになるとグッと楽になります。
終盤の戦闘はこんな感じになります。たくさんの敵を一網打尽にするのは無双のような爽快感があります。
ターミナルのスキルは△ボタンで使えるので、EP回復やHP回復なんかを中心に使っていくといいと思います。
主人公になる13人のキャラだけでなくサブキャラもだいたいみんな事情があり、自分のやるべきことがあるのですが、この比治山くんだけはあまりストーリーに関わってきません。でもとても可愛いので大好きです。
彼はとある事情で焼きそばパンに出会い、それからずっと焼きそばパンを大切に思って生きています。
トロフィーコンプしました。普通にプレイしていれば自然と取れていくので、これからプレイする方はぜひトロコンを目指してください。
ちなみに私が好きなルートは、比治山くんルート、緒方ルート、南ルートです。
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