箱プレイ

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スロウ・ダメージ

スロウ・ダメージ

シナリオ   …■■■■■
システム  …■■■□□
グラフィック …■■■■■
キャラクター…■■■■■
一番好きなキャラ…トワ
良い…心が揺さぶられる、カタルシスを感じられる、badはメリバのみ、主要キャラの死亡や猟奇的な展開はなし
悪い…心理パートが難しい


区切り


《総評》


  • BL好きの人類、全員にプレイして欲しい傑作。

  •  これが箱詰めしたり手足を切っちゃったりなんて猟奇的な話を描いていたブランドの作品とはとても思えないくらい、最初から最後まで整った美しい物語でした。キャラクターは恐らく皆、不幸な子供時代を過ごし、成人して何とか自分の居場所を見つけつつあるという人達で、それが主人公のトワと結ばれることで全一となる、そんなお話です。
     トワは普段何事にも反応が鈍いのですが、痛みや他人の欲望に触れた瞬間だけ息を吹き返し、それ以外は仮死状態という感じの青年です。そんな彼がストーリーを進めることで感覚を取り戻し、意志的に行動するようになっていきます。

     攻略対象は優しすぎるレイ、弱いタク、俺様な斑目、秘密のある藤枝の四人で、トワと彼らは時には衝突しながらも最後は一緒に問題を解決していきます。どのルートでもお互いの存在が救いとなるような、そんなエンディングでした。
     少し歯車が合わないと狂気エンドになるのですが、これもグロや鬱ではなく切ないメリバだったので満足しました。

  • 印象的な狂気(bad)END

  •  bad含めて死なない、五体満足で愛のあるEDしかないBLがいいと言い続けてきましたが、BLゲームではなかなか難しいんだろうなと思ってました。しかし今作でキラルはやってくれました。スロウ・ダメージはbad含めて死なない、五体満足で愛のあるEDしかありません。
     早死にしそうなEDはあるのですが、どこで切り取るかというのが重要なのです。そんなこと言ったら生き物はいずれみんな死にますからね。

     狂気EDはgood EDの余韻をぶち壊しにするような悲惨なものではなく、ほんの少しずれてしまってgoodにはなれなかったEDという感じでした。幸せと不幸、あるいは生と死が隣り合わせにあるような、そんな構成です。
     私はbadが嫌いなので作品によっては見ないまま終わりにすることもあるのですが、今作の狂気EDは必見です。ちなみに私が一番好きなEDは斑目の狂気EDです。斑目は何を考えているのか分からないキャラなんですけど、見えている以上にトワへの愛情が深いんだなあと思うEDでした。

  • 探索パートと心理パート

  •  今作の目玉はこの特殊な二つのパートです。探索パートは総当たり可なので詰まることはありませんが、心理パートで失敗するとクリアできなかったりbadになったりします。心理パートに関しては最初から攻略サイトさんを参考にしても問題ないと思います。私は早い段階から参考にさせてもらっていました。
     全体の構成は共通ルート(1章)、サブキャラとの話(2章)、攻略対象の話(3章)という流れで、攻略制限がないのはタクとレイです。共通するのは1章だけで、2章からは独自のルートになります。
     この二人をクリアすると斑目ルートが解放され、共通ルート、タクかレイを選択するけど斑目ルート、というトリッキーな導入になります。

     三人をクリアするとタイトル画面に新しいアイコンが表示され、それが藤枝ルートに繋がるのですが、その前にコミカライズでもあった吸血鬼との話が入ります。ここで失敗すると藤枝ルートには入れず、レイかタクルートになります。
     斑目は三周目固定、藤枝は四周目固定なのでおすすめ攻略順はタクから始めるかレイから始めるかだけなんですけど、私はレイから始めることをオススメします。レイが一番真相から遠いということと、終わりが爽やかだからというのが理由です。

  • コンプリート後

  •  間違いなく傑作だと思うスロウ・ダメージですが、最後の最後でトワの母親もいろいろあったんだ…みたいな締め方だったのだけは納得いっていません。どんな事情があろうともトワにやらせた仕事は子供にやらせるような内容じゃないし、クソ女としか思えませんでした。
     ドラマダの紅雀の話でも思ったんですけど、キラルのゲームの母親のクソ率は何なのか。たまには普通に優しい母親がいてもいいんじゃないかと思います。でもトワくんをこの世に生み出してくれたことだけは感謝しています。

  • キャストについて

  •  柊三太さんが天才だと言うことを知ってしまいました。他のBLゲームでも知ってますし、その頃から演技が上手い方だということは知っていたんですけど、スロウ・ダメージにはそういうレベルじゃないとんでもないシーンがいくつかあるのでもう天才としか言いようがないです。
     キャスト発表の段階で合ってると思いましたし、このくらいはやってくれるという高めの期待をしていたわけですが、まさかそれを超えてくるとは正直思いませんでした。

     良かったところを一つだけ挙げるとタクと思いが通じ合ったあとのエッチなシーンなんですが、ここが全編通して一番好きなシーンになってしまいました。なぜならトワが可愛すぎたから。
     このシーンは神がかった絵と演技が合わさって大変な衝撃でした。回想で何度も見ているのに飽きませんし、見るたびに体力が回復するような気持ちになります。何かつらいことがあった人にも積極的にオススメします。トワきゅんの可愛さで元気になれます。

     攻略対象四人のキャストさんは初めて聞く方ばかりでしたが、皆さん合っていました。四人の中だとレイが一番好きです。何だか可愛らしい印象なのは声のおかげだと思います。
     普通こういうゲームだと一人二人は合わないルートがあるものですが、スロウ・ダメージは全ルート満点でした。内容がかぶっているルートはないので、どのルートも独自の楽しさがありました。

    公式サイトに体験版があります。現在まだ初回限定版(冊子とボーカル曲CD付き)も手に入りますし、オフィシャルワークスやねんどろいども予約受付中です。


    区切り


    《キャラ雑感》


    トワ
     可愛くて死ぬかと思いました。プレイを終えてもう一ヶ月以上経ってるのにまだ新鮮で可愛い…。胸が苦しくなるほどきゃわゆい…。
     最初はクールで斜に構えたキャラなのかなって思ってましたが、ちょっとぼーっとしてるんですよね。あとあんまりご飯を食べないからか腹に力が入らない系男子なんですけど、タクとレイと一緒にご飯を食べに行ってハニートーストを注文するのが可愛いし、全部食べきれないのも可愛い。最早安全靴みたいな靴すら可愛い。丈夫そうで可愛い。トワきゅんは可愛さでできている。


    タク
     エッチなシーンが良すぎて死ぬかと思いました。いや死んだのかもしれない。そして生まれ変わったのかもしれない。トワきゅんの可愛さは最早暴力。
     シナリオは全く想定していないような展開でした。大人キャラだから包容力があるタイプかと思っていましたがそんなことはなく、狭量とすら感じましたが、嫌いじゃない締め付け感でした。
     賛否両論あるキャラだと思うのですが、トワの対応が少し塩だったこともあってバランスが取れていたと思います。やっぱりタクのしたことは許されないレベルだからね…。でも納得できるラストでした。贖罪の機会を得られて良かったと思います。

     そういえば、前からトワのことを好きそうなのにレイのルートで普通に二人の仲を応援しているのは何でかなと思っていましたが、トワを自分のものにするのは不安だったんだろうなあ。タクは何となく、自分が大事なものを手に入れるということに恐怖を感じているようにも見えるんですよね。だからいつまでもトワを欲しいとは言い出せないし、トワに対する気持ちは家族みたいなものと自分を騙し続けているのです。
     タクは臆病な大人なんですよね。エッチは上手いですけども…。トワきゅんのあんな可愛い声を聞かせてくれてありがとうね、タク…。


    レイ
     おかん系オネエでトワとは同世代なので、じゃれ合いみたいな関係が可愛いカップルでした。他のルートでも思いましたけど、レイの存在が作品全体に癒やしを与えてくれたように思います。オアシスみたいな存在でした。終盤トワがボロボロになるルートでもレイが待っててくれてほっとしました。
     そんなレイ自身にも暗い話があったりするんですけど、比較的やんわりとした着地ができて良かったです。でも私としては、good EDでの属性チェンジは残念だった…!その属性が好きだったので、それをなくさないで欲しかった…。ドラマダのノイズがピアスを全部取っちゃった時と同じがっかり感でした。
     逆にbadは不思議なキュートさがあって良かったなあ。まあやっぱり二人には幸せになって欲しいからgoodが良いですけどね。あとエッチの誘いを「はしたない!」って拒むレイが可愛かったです。


    斑目
     badが良すぎて死にました。精神のバランスを欠いたトワきゅんの狂気を受け止めつつ、一緒に地獄に落ちるつもりの斑目の情の深さに満面の笑みでプレイしちゃいました。せつないシーンのはずなのに素敵すぎたんだよね…。あんなの笑顔を禁じ得ない。素敵にも程があるんだよ。あと斑目EDは音楽も好みでした。荒々しい!
     シナリオは淡々と進む感じだったんですけど、龍が如くみたいな展開になるので実家のような安心感がありました。暴力で解決してるんですけど、爽快感のあるラストでした。
     斑目の好きなシーンは、猫が可愛い、トワは猫に似てるというシーンと、トワは育ちがいいって妙に誇らしげに言うシーンです。トワきゅんが可愛くて仕方ないんだね…。共感しかありません。


    藤枝
     むっつりスケベでした。エッチなシーンのがっちりホールドが大好きすぎて死ぬかと思いました。タクと藤枝のどっちのエッチがいいか悩んでいます。同率一位かも。
     シナリオは真相を含んでいて、他ルートと違いトワが他の人とセックスするシーンもありました。それと暴かれるのは藤枝ではなくトワなんですよね。藤枝に押し込めている心みたいなのは多分ないんだろうな。

     最初はトワを敵側だと思っているので冷たいのですが、それでもお兄ちゃんらしい面倒見の良さもあってほのぼのすることもありました。お互い公園のトンネルの中にいることがあるのですが、藤枝もトワと同じ可哀想な子供だった人なんですよね。そういう欠けた部分を持つアンバランスな二人がくっついてバランスを保つという、回復と救済という全体のテーマに沿った内容だったと思います。
     藤枝は真相が分かったら死んでもいいと思っていますし、トワもそうなんですけど、お互いがこの世の未練になって良かったなあ。長生きして欲しいです。そしてドラマCDとかFDとかいろいろ出して欲しいです。来年はカレンダーを出してください。


    その他
     小太郎とマユとエイジからは箱詰めに近いことが絶対されるに違いない、ヤクザだし…って思っていたのに普通にいい人でした。
     小太郎やマユEDも悲惨な部分がなくちょっと笑える感じだったので、キラルどうしたの?という気持ちです。こういうところでめっちゃ嫌な気持ちにさせてくるブランドだと思っていたのに、なんなの…。もうキラル好きが高じてやばいです。今の私は完全なキラル信者です。キラル強靱!キラル無敵!キラル最強!
     私が過度なときめきで死と再生を繰り返しただけでトワきゅんが死ぬことはなかったので、最高としか言いようがありません。BL好きの全人類はスロウ・ダメージをやるべきです。(大事なことなので)
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    Comments

    ななこ :: 2021/05/16 07:12 AM
    コメントありがとうございます!
    トワきゅんと柊さん最高でしたよね…。毎日トワきゅんトワきゅんって心が浮き立っています。゚+.(・∀・).+゚
    私もアヅマ以来の大好きな主人公でした!トワきゅんは怪我だらけのキャラですし、今回も痛々しいシーンが多いゲームなんだろうなって思ってたのにハニートーストのような甘い世界で未だにいいんですか?!って思いながら回想を見返しています。
    次回作もですけどFDとかドラマCDとかの展開も楽しみですねー!もう毎秒出して欲しいです。
    最近なかなか更新できてませんが、また見に来ていただけると嬉しいです!
    葉 :: 2021/05/14 03:01 PM
    初めまして、paradiseの時から感想をウンウンと頷きながら読んでいました。今回のスロダメの感想も同じくです(>ω<)
    トワきゅん(と柊さん)最高でしたね。久しぶりにparadiseのアズマと並ぶ主人公だと思いました…愛しさでプレイする度に悶えます。
    今回の、今までと違うキラルのテイストは個人的に嬉しい誤算すぎるので次回作もこんな感じでいってくれると嬉しいなと思ってます。いや次回作よりもFDその他諸々はよ!ですね。
    nanacoさんの感想とても面白くて好きです。これからも楽しみにしています(つω`*)

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