VitaminX Evolution Plus(PSP)
シナリオ …■■■■□
システム …■■■□□
グラフィック …■□□□□
キャラクター…■■■■■
一番好きなキャラ…翼
良い…ボリュームがある、周回プレイが快適、明るい雰囲気
悪い…絵、一部シナリオ
《総評》
乙女ゲームというとノベルゲームかシミュレーションのどっちか、というイメージですが、このゲームはどっちでもありません。しかしノベルゲーの最大手、シミュレーションの最大手にも負けない完成度です。ゲームの内容とシステムがぴったり合っていて、よくこんなゲームを作り出したものだなあ、と思いました。
私は一般ゲーも含め、フルコンプしたものはほとんどないのですが、このゲームは乙ゲーで初めてフルコンプしたゲームです。かなりボリュームがありますので、達成した時は自分でびっくりしました。
自分は教師となり、名門高校に通うイケメンでアホな6人・B6に勉強をたたき込み、無事高校を卒業させる、できれば進学させる、というのが大まかなストーリーです。
成績を上げるには突っ込み、好感度を上げるにはスルー、とうまく使い分け、更に彼らの抱えている問題も一緒に解決していきます。生徒であるB6にはそれぞれ対応している教師6人もセットでついてきて、PSP版だとこの教師陣も攻略可能です。
期間は4月から一年間で、最初から各キャラの個別ルートに分かれています。月末には試験があり、満点をとるとボーナスイベントを見られます。試験は役に立つ問題が多いですし、意外と勉強になるのでやりがいがあります。
主人公はイケメン大好きな女の先生なのですが、個性が強いので賛否両論あるみたいですね。でも特別誰かを贔屓しているわけでもないし、ピンチになった生徒を庇ったり、更正させようと頑張ったり、教師としての仕事はきちんとやっているので、私はわりと好きです。
メインの攻略対象であるB6は多分、少女漫画の『花より男子』のF4をモデルにしているんじゃないかな。みんなお金持ちで、イケメンで、やや不良という点が共通していると思います。
話の流れは、だいたい最初は普通に始まり、中盤で一度問題が発生し、いろいろあるけど元に戻り、そのままどんどん好きになっていく、という感じで、好きになる過程は丁寧に描かれています。
そのわりに、シナリオはあまり印象に残らないんですよね。お話自体はわりと平凡です。やっぱり突っ込みというシステムや、やりとりの面白さがアクセントになり、ゲーム全体を盛り上げているのだと思います。
絵は個性的ですが、正直あまりうまいとは言えません。ですから、スチルをゲットしてもあまり嬉しくはないです。
他には、主人公の行動がおせっかいすぎるというか、ちょっとやりすぎじゃないかと思うイベントがいくつかあります。
こうしてちょっと考えただけでいくつか不満が思い浮かぶのに、なぜかこのゲームに関しては、あまりそういうことをちくちく問題視する気にはなれません。細かいことはいいんだよ、という感じなのです。
ゲームは娯楽なので、プレイしていて楽しいというのが一番大事だと思うのですが、VitaminXはその点で充分満足させてくれました。そして、その楽しみを妨げるほど大きな問題点はありません。スチルなんて飾りです。それどころか、キャラのあくの強さがあくの強い絵によって、より魅力的になったんじゃないかとすら思います。
ViaminXは荒削りですが、プレイヤーをとことん楽しませようという一番大事な部分をきちんと押さえています。ゲームをプレイしていてこういう風に感じることってそんなに多くないので、その点だけでもこのゲームは素晴らしいと思います。
《キャラ雑感》
・真壁翼
メガネなのにアホという、珍しいキャラ。よくいる、お金持ちのわがままお嬢様を男にした感じです。直球のかまってちゃんで、冒頭の共通ルートでの「迎えに来るのが遅い!」では悶絶しました。もう可愛いことが仕事だな…。仕事なら可愛さを振りまいても仕方ない。
基本、秘書の永田がいないと何もできません。ときどき永田が嘘を教えるのを、普通に信じてたりもします。永田も多分、翼がアホ可愛いんだろうなあ…。
翼はあまり父とうまくいっていないのですが、父もただツンデレなだけだと思います。翼がお金を湯水のように遣うのを許可しているので、それだけでも可愛がっているようにしか見えません。
甘やかされて寂しがりでわがままな坊ちゃんって、なんでこんなに可愛いんでしょうね。一応B6を結成するきっかけをつくったのは翼で、リーダー面をしていますが、強さで言ったら下から二番目です。
・草薙一
挫折することがあって非行に走ってしまった、スラムダンクのミッチータイプの人。でもミッチーほどすれてないし、基本いい人なので、彼みたいな人が青春を浪費しているのはもったいないなと思いました。結果的に更正できて良かったです。
B6の中では、親的なポジション。そして一番イケメンらしいキャラだと思います。動物大好きで、なぜか動物語を解します。
・七瀬瞬
母性は一切ないけど、主婦キャラ。親に育児放棄されているので、自活しています。そのために一生懸命節約し、スーパーのセールを上手に利用して、お肉が安い時には買いだめして冷凍しておく人。
もともとこのキャラ目当てで買いました。後半やや病んだりしますが、芸術家肌なので神経が細いんですよね。何とか彼も更正して良かったです。B6では最弱の人。立場も弱いし、精神も弱いし、この弱さが愛らしい。
・風門寺悟郎
女装男子。B6では二番目に強キャラという印象です。この子も一と同様、もともと性格がいいキャラです。彼の抱えた事情もなかなかヘビーです。
変わった人の集まりであるB6の中でも一際浮いた存在ですが、他のメンバーが彼を女の子ではなく、見た目は可愛いけど普通の男として扱っているのが印象的でした。ありのままを受け入れているんでしょうね。B6って仲良しでいいなあ。
・仙道清春
公式サイトでぶっちぎりの人気を誇る、いたずらっ子。小悪魔系という言葉では温すぎます。まあ、彼もかまってちゃんなんですけどね。
清春のすごいところは、最後まで完全に俺様を貫くところです。普通恋愛モードに入るとまろやかになるものですが、清春は最後までずっと凶悪だったなあ…。だがそこがいい。何でも徹底しているって素晴らしいと思います。
強そうですが、意外とそうでもないです。B6では三番手くらいかなあ。でも四番手かもしれない。家族の間では最弱の末っ子らしいです。可愛い。
・斑目瑞希
無口不思議系だと思ったら、とんでもない。結構エロで大人です。くっそ…(///)と何度思ったか分かりません。B6で最強なのはこの人だと思っています。
最初は単なる爬虫類にしか見えなかったトゲーも、彼のシナリオを見ていく内に好きになってきました。トゲーはできる子。
瑞希は真田先生とのやりとりも可愛いです。多分、可愛いものが好きなんだろうな。
・葛城銀児
イケメン教師陣T6のダメ人間担当。翼とセット。
基本いい人ではあるんだけど、ギャンブル好きであちこちに借金をしている困った人。そういうのは良くないと思います!でも中の人の演技が面白いこともあり、愛嬌のあるキャラクターに仕上がっています。
・鳳晃司
T6の爽やか担当。一とセット。
優しくてスマートな雰囲気の貴公子っぽい先生です。でも葛城先生と一緒にいると、ときどき怖い。
・九影太郎
乙ゲーでの坊主キャラに悪人はいないんじゃないだろうか。T6の強面担当。瞬とセット。
見た目は怖いけど、この人も例に漏れずいい人。ちょっと病んだ瞬に対して九影先生はシンプルで健康なので、いい組み合わせだと思います。
・二階堂衝
T6のマジレス担当。ゴロちゃんとセット。
翼の次に好きなのが二階堂先生です。葛城先生には嫌味とか言われてますけど、別に嫌味ではないんですよね。正論を言うだけです。あと不器用です。
ゴロちゃんルートでの二階堂先生の発言には、いい先生だなあと感じることが多かったです。他の先生にもいいセリフはあるんですけど、二階堂先生の不器用な直球さがとても良かったです。
あと可愛いもの好きなところが可愛いです。だから真田先生と仲良しなんだろうなー。
・衣笠正次郎
T6の腹黒担当。清春とセット。
いたずらし放題の清春を封印できる数少ない人間の一人。デーモンスレイヤーみたいなものですね。怖いです。
こういうキャラはだいたい好きです。清春とのやりとりも面白いです。そして、多分このゲーム内で一番強い人です。
・真田正輝
T6の子犬。瑞希とセット。
普通に可愛い、アイドル系の外見を持つ先生ですけど、中身はきちんと先生です。真田先生だけは、最初から主人公に好意がある設定みたいです。
瑞希も二階堂先生も、真田先生が可愛いから仲良しなんだろうなあ。
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