大正メビウスライン(PC)
《総評》
公式でのサポートにも書いてありますが、Windows updateの干渉によって、一部イベントシーンで画面の半分ほどが非表示になるというエラーが生じています。また更新すれば直る可能性もありますが、とりあえず演出効果をOFFにすれば、EDのスタッフロール以外は普通に見られたと思います。
これに関しては、ソフトのバグというよりWindows側の問題なので仕方ないかなと思いますが、どちらにしろEDが中途半端な形でしか見られないというのは残念でした。
時代は大正末期、魑魅魍魎が跋扈するオカルト世界。
子供の頃に大病を患って以来、人ではないものが見える体質になった主人公の京一郎は、帝国大学に通うため、郷里から東京の叔父の元へとやってきます。その時に親から一振りの刀を与えられたのですが、これは死霊を斬ることができる刀でした。
この刀と京一郎を巡り、さまざまな人の思惑が絡み合い、それは次第に国をも巻き込む大きな事件へと発展していきます。
大まかに言うとこんな話です。
妙なタイトルだなと思ったのですが、きちんと意味はあります。そしてシナリオ含め、内容は非常に硬派です。BLシーンですら硬派な雰囲気です。主人公の京一郎さんがまず硬派なのですが、硬派なのに意外と体がエロい、というこのギャップが素晴らしい。CVの人の演技が秀逸です。
設定上、黄泉路を行き来するので、ちょっとしたホラーっぽいシーンもありますが、それほど怖くはないです。びっくりさせるようなシーンも特にないので、あまり耐性がない人でも問題ないと思います。
攻略対象によって濃度に違いがありますが、どのルートもそれなりにやることはやっていますので、全体的に濃いめです。内容もキャラに沿った感じになっていますので、いろいろ楽しめると思います。
主人公の京一郎は決してビッチというわけではなく、芯が強くて一途なタイプなのですが、体が敏感にできているのか、すぐ開発されてエロくなるので、今までプレイしたBLゲームの中では一番エロな主人公だなと思いました。
京一郎の声の人は今回初めて知ったのですが、特別うまい方だなあと感じました。普通の京一郎、エロな京一郎、それ以外にもさまざまな京一郎がいるのですが、どれもきちんと特徴があって、同じ声とは思えないこともありました。
他の方ももちろんうまいのですが、特に京一郎の声の人の変幻自在っぷりは一聴の価値があります。
これはもう傑作であり、神ゲーとしか言いようがありません。完成度が半端じゃない。BL部分を一切抜いても楽しめる内容になっています。
ただ、あまり笑える要素はなく、人の生死に関わるシリアスなシーンが多いので、そういう内容は重くて嫌だ、という人には不向きかもしれません。
ですが、主人公含め登場人物の大半は、何かあっても悲しくて泣くというよりガツガツ挑む、というようなタイプなので、生死が絡むシリアスなストーリーでも重くなりすぎず、時には爽快感もあります。
設定上、死が全ての終わりというわけではなく、死後の世界もあるので、死がそこまでつらい感じではないというのも大きいと思います。普通に生者と死者が同じ空間にいて会話をすることもありますし、この世だけでなくあの世まで巻き込んだ冒険物、という感じの作品です。
爽やかな気分で始めたいなら時雨スタート、最後を爽やかに締めくくりたいなら館林スタートがいいと思います。館林ルートはもやっとします。
私は千家→館林→時雨の順で攻略しました。シナリオは基本、どのキャラも憂鬱な内容ですが、EDまで憂鬱なのは千家だけなので、それを踏まえて攻略順を決めるといいと思います。
館林もgood以外は悲惨なものが多いです。時雨は幸せなEDが多いです。
ちなみに最後は必ず真相ルートのミサキ編になりますので、どちらにしろプレイ後の後味は良いです。
《キャラ雑感》
・京一郎
昼は淑女、夜は娼婦を地でいく、一見清楚系の主人公です。本人は日本男児のつもりみたいですが、あまり男っぽくはないかな。女性的ってわけでもないんですけど。
賢く、良くも悪くも世間知らずで、本人は気付いてなさそうですけど、すごくきゃわいいです。
上にも書きましたけど、中の人がすごくうまいんですよねー。高い声でがっつり喘いでいるのですが、変に女の子っぽくはならず、ちょうどいいのです。うぶなところと魔性のバランスもちょうどいいし、素晴らしいの一言に尽きます。
・ミサキ
世話焼きのおじさん。無骨な雰囲気とうまく合っているんだけど、声は少し棒かなあ…。でもこんなものかなとも思うんですけど。
ネタバレに触れるのであまり多くは語れませんが、この人の真相ルートはカタルシスを感じられて良かったです。
・時雨
ダークホースでした。
CVの人がこの人なのにやんちゃ系?と思ったら、やっぱりやんちゃ系ではなく、しっかりした好青年でした。京一郎との関係は、年が近いせいか友達っぽい気安さがあって、見ていてほのぼのしました。
EDも爽やかで良かったです。あとやっぱり声は爽やかでありながらエロでした。この声はいい。
・千家
千家ー!わたしだー!京一郎と結婚してくれ−!
千家が好きすぎて生きるのがつらい。
このゲームは千家と時雨の中の人目当てで購入したんですけど、一周目に千家をやってしまったせいで、その後は抜け殻みたくなっていました。鬼畜とかドSとか外道なんて言葉が似合うキャラなのに、かわゆさもあるとか詰め込みすぎでしょう…。千家が可愛すぎて胸が苦しい…。
京一郎は基本、千家を嫌いなんですけど、顔が綺麗だなーと思ってしげしげ眺めるシーンなんかもあって、美人攻と可憐受とかちょっとやめてください、萌えすぎて死んでしまいます。
ラブデリさんは何てものを生み出してくれたんや…。千家は国の宝ということでいい。
・館林
鬱軍人。
良くも悪くも千家とは真逆の人で、優柔不断だけどいい人。ただ、私は優柔不断な人にピクッともときめきを感じないので、わりと静かにプレイし、静かに終えました。中の人は好きなんだけど、やっぱり館林はピンと来なかったなあ。
このルートなら、双子の存在が熱いです。
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