箱プレイ

《総評》

小さくまとまった良作

　攻略対象は全員年上で二人ずつ、というダブルスコアシリーズの第二弾です。私はこの第二弾から始めました。
　この作品は、全体的にきれいにまとまった良作だと思います。昨今の乙女ゲームにありがちな安易なエロ展開もなく、久しぶりに一般向けの乙女ゲームらしい乙女ゲームをプレイした気分になれました。
　攻略対象は二人ですが、他の作品で攻略対象になるキャラクターも登場するので、主人公との関係性も分かり、賑やかです。攻略対象が二人ということで寂しいイメージでしたが、実際プレイしてみるとそんなことはなかったです。

キャラゲーとしては、やや弱い

　無難にまとまっているせいで、個性が弱いと感じました。乙女ゲームにありがちなトンデモ展開、意外性やカオスな展開を期待する人には物足りなさを感じることもあると思います。
　けれどアクが強くなく、スチルも立ち絵も綺麗なので、乙女ゲームが初めてという人に薦めるにはいい作品だと思います。

オススメかどうか

　オススメします。
　攻略対象が二人だから内容が薄いんじゃないの…とか、PCゲーだからどうせエロなんじゃないの…と思って手を出していない人には、そんなことはないのでぜひプレイして欲しいです。逆にエロを期待している方にはオススメしにくいですが、18禁な展開はないものの、斎賀（CV平川大輔）ルートはほどほどにエロです。値段は安いですがきちんと作られていますので、コスパはとても良いです。
　とにかく丁寧に作られている、というのには好感を持てました。うるさくない程度に攻略対象外のキャラが出てくるのも良かったです。各キャラが架空の世界で生き生きと生活しているのを描いた、そんな作品です。主人公が前向きで素直な女の子というのも良かったです。

攻略対象が二人、という構成

　普通は数人いるので選ぶ楽しみがありますが、この作品は二人ずつなので選択肢が少なく、そのせいで少し窮屈に感じることがあると思います。それと、一本の値段は安価ですが、二本、三本、と増えていくと結局他社の一本分より高くつくことになりますし、こうして分けて販売されると、最後の作品まできちんと出るだろうか、という不安も生まれます（実際、この第二弾は発売が延期されました）。
　一応全作購入すると、神主を攻略できるようになるらしいですが、気軽に気に入ったところだけ買ってみる、という感じの遊び方がちょうどいいかもしれません。

《キャラ雑感》

・城崎理央
　ホストでモテてプライドが高くて〜なんてキャラ設定だったら、口のうまい女たらしを想像すると思いますが、実際プレイしてみたらわりと真面目な人でした。でもギャップ萌えってほどでもなかったかなあ。ちょっと煮え切らないところもあって、そういうところはリアルだと思いました。
　オタク設定も、本人が特に隠しているわけでもないので、じめっとしてない明るいオタクです。リア充なのにオタク的な物も好きって人は実際にいますが、本当にそういう感じでした。

・斎賀琉衣＆聖夜
　CV平川大輔の威力、この一言に尽きます。本気出し過ぎだろ…。
　このキャラはナンダッテーなこともあって、最後までやってから最初を振り返ると、何かじわじわきます。ネタバレに触れずに語ることは難しいキャラなので、あまり多くのことは書けませんが、少しずつ謎が解けていくので攻略が楽しかったです。
　あと、このルートの後半は全年齢が息してなかったです。シーンとしてはまあ、普通かなーという感じなのですが、CV平川大輔がすごすぎました。