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下天の華(PSP)

下天の華

シナリオ   …■■■□□
システム  …■■■■□
グラフィック …■■■■■
キャラクター…■■■■□
一番好きなキャラ…家康

良い…背景など全体的なデザイン、綺麗なグラフィック、丁寧な言葉遣い、変化の術
悪い…好みに合わないルートがあった、一部の作業感


区切り


《総評》


  • とても惜しい良作

  •  下天の華は大まかに言うと、主人公のくのいちが明智光秀の妹に化け、織田信長を狙う謎の勢力と対決するというお話です。最初の段階では誰が敵で誰が味方かはっきりしません。そういう手探りの状態で、自分の正体を隠しながらいろいろなキャラクターと交流していきます。
     面白いか面白くないかというと面白いし、コルダや遙かと違い、大作という感じではありませんが、丁寧に作られた良作です。では何が惜しいのかというと、続編である夢灯りでも本作と同じ流れが繰り返されるという点です。

     コルダのような、シナリオはあっさりだけど育成が主という作品なら多少のネタかぶりはいいと思うのですが、下天はシナリオが主なので続編ではきちんと新たな展開を見せて欲しかったです。
     その肝心のシナリオですが、これも素晴らしい出来とは言いがたいです。キャラによってばらつきがあり、全体的に盛り上がらないルートもありました。それとこれが一番の問題だと思うのですが、終盤の流れは全員同じなので、三周くらいする頃にはだいぶ飽きていました。この辺は遙か6とよく似ています。

  • ネオロマの底力

  •  不満はあるものの、そこはやっぱり歴史の長いネオロマですから、良いところもたくさんあります。一番最初に驚いたのは背景や画面全体のデザインの美しさでした。後に遙か6でも体験しましたが、これは一見の価値ありです。9月にVITA版が出るらしいので、PSPでも充分綺麗だと思った画面が更に綺麗になっていると思います。
     それと親しくなる過程がとても丁寧で、上品な言葉遣いで綴られていきます。悪口や汚い言葉が出てくる作品もそれはそれで面白いですが、そういうものが全くない世界というのはいいものだなと思いました。

     そして主人公のほたるですが、凜とした美人かと思ったら実は天然で、とても可愛い女の子でした。私はあまりアクティブでクールなタイプの女の子は好きじゃないので、これは嬉しい誤算でした。けれどくのいちとしては甘い部分もあるので、くのいちらしいくのいちを求めている人にはいまいちかもしれません。
     攻略対象は、純情な若者から何を考えているのか分からない大人までさまざまですが、私はどちらかというと若者キャラの方が好感を持てました。主人公と年が近いので、組み合わせとして良かったというのも大きいです。

  • 変化の力

  •  ほたるはくのいちなので、姫だけでなく鳥やカエルなど変わったものにも変化できます。特に決まったものに変身しなくてもいいシーンもあるので、わざと変わったものに変身し、相手の反応を見るのも楽しいです。
     私はこのシステムのカオスっぷりが気になり、購入に踏み切ったのですが正解でした。全体的にシリアスなのですが、このシステムのおかげでいい具合にまろやかになったと思います。ストーリーときちんと連動したシステムだったのも良かったと思います。

  • オススメ度

  •  100点満点中70点くらいのオススメ度です。アンジェリークのオスカーみたいなタイプが好きな人なら、80点以上はいくかもしれません。信長がオスカーみたいなタイプだと思うのですが、ああいうちょっと強引で大人で男らしいタイプが好きならはまれると思います。GSで例えると信長がメイン王子という扱いなので、信長のようなキャラが苦手だと70点くらいに落ち着くのではないかと思います。
     オススメかオススメじゃないかと問われたら、オススメです。特に目当てのキャラがいなくても充分楽しめると思いますし、プレイして損をしたと感じることはないと思います。わりと一周が短めなのも、プレイしやすくていいと思います。


    区切り


    《キャラ雑感》


    織田信長
     大人で、余裕があって、いつも泰然と構えている男らしいタイプです。私は全くそういうタイプにピンと来ないので、嫌いというわけでもないのですが、何だかよく分からないな…と思いながらプレイしていました。
     歴史上の人物としては信長は大好きなので、期待していたんですけど残念です。遺影に抹香をぶつけるくらいの感じで来て欲しかったけど、大人になってしまったんだろうな。


    明智光秀
     こんな分かりやすい設定のキャラにハマるとかないわーと思っていたのに、思いっきりハマりました。\(^o^)/ CVまで隙がないから仕方ない…。タイプとしては三国恋戦記の周都督に近いと思います。あのタイプに弱い人はぐっと来るはず。
     ただやっぱりネオロマらしい捻りはあって、普通に萌えさせるだけでなかったのも良かったです。最後まで敵か味方か分からないっていうのも良かったな。


    羽柴秀吉
     史実的には秀吉は嫌いなんですけど、この秀吉はいい秀吉でした。正直体型はかなり好みです。小柄だけどむっちりした感じ、いいと思います。
     明るく脳天気な風を装っているけど実は切れ者ですし、変な言い方ですけどすごくまともな人です。そのせいで少し地味な印象ですが、周りがみんな変わっているので、やっぱり一人くらいまともな人がいないとなと思いました。


    徳川家康
     最後まで明智と家康のどっちがいいか悩みましたが、やっぱり家康かなあ…。ほたるの素朴さがよく出ているので、組み合わせとしては家康の方が好きなのです。
     家康は今回の大筋にはあまり関わってこないので、その分乙女ゲーらしい展開が多かった気がします。体が大きいのに少年声というギャップも良かったです。


    森蘭丸
     彼のシナリオも好きです。マイナスからのスタートという感じですが、少しずつ親しくなっていく様子が微笑ましかったです。従来の蘭丸のイメージと違い、雄々しい感じなのも良かったな。
     蘭丸は体育会系の武士なので、最初は全然女性というものを意識していません。そういう人がだんだん目覚めていく図というのは面白いなーと思いました。


    百地尚光
     回想で子ほたるが出るのですが、これがものすごく可愛い。そのくらいしか覚えてないな、百地殿ルート…。
     百地殿は私には理解できない寡黙な大人なので、何だかよく分からないキャラでした。多分百地殿もツンデレだと思います。


    織田信行
     あえて書きますけど、全く楽しくないルートでした。CVの岡本寛志さんの演技がうまいので、余計に楽しくないんですよなあ…。こんな一回も笑えない話はいらないのです。大丈夫なの、この人…と思いながら進行していました。
     あとやっぱり、悪いことは全部信行がやったみたいな扱いだったのがどうもなー。もうちょっと信行がご機嫌になるような展開が欲しかったです。このルート後にコルダをやって狩野先輩を見ると癒やされます。
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