東京陰陽師(PC)
シナリオ …■■■□□
システム …■■■■□
グラフィック …■■■□□
キャラクター…■■■■□
一番好きなキャラ…上大崎
良い…明るい雰囲気、新しい試み、飽きさせない構成
悪い…前半に多少の作業感アリ
《総評》
東京陰陽師とは、現代の東京で生活する陰陽師の日常系BLです。攻略対象は人間から妖までさまざまですが、皆現代の日本のルールを分かった上で生活しているので、どのルートでも謎の生活感があります。ルートによっては強い誰かと対決することもありますが、基本的に陰陽師が巨悪に挑む、みたいな話ではなく、あくまで日常系です。
そんな作品なので、雰囲気は明るくほのぼのしています。世界の全てが敵になったり、メインのキャラクターが一人ずつ死んでいく、なんてことはありません。どのルートでもメインのキャラクターが死ぬことはありませんし、敵にもなりません。※仲が悪い人達はいます。
主人公の天現寺橋は陰陽師を生業としている、もうすぐ三十路の男です。彼は性に奔放なのですが、一言で言うと襲い受で、来る者拒まず、ちょっと乱暴にされるくらいはバッチ来い、レイプ展開のbadですら何となく嬉しそうに見える、というキャラクターです。
そんな性格の主人公なので、愛が芽生えたら即ベッドイン、育むのは関係を持ってからという感じです。そして童貞にも熟練者にも対応できる懐の深さを持ち合わせているので、体の相性が悪くて気まずくなるということもなさそうです。多分、どんな相手でもいけます。
東京陰陽師は、大きく三つのパートに分かれています。一つ目のパートは依頼パートで、ここで攻略したいキャラとの親密度を上げ、二つ目から個別ルートとなります。二つ目は各キャラのメインストーリーで、ここはどのキャラもわりとシリアスです。三つ目はBLパートで、ここからはBL的な展開がメインとなり、明るい雰囲気です。
体感としては依頼が全体の40%、2パート目も40%、3パート目が20%くらいだと思います。一周はそれほど長く感じませんが、恐らく依頼パートが長いからだと思います。これを作業と感じるか、新しいシステムとして楽しむかは人それぞれだと思いますが、私はこういったオカルト話は好きなので楽しめました。スキップが早いのも良かったです。
メビウスのような大がかりなストーリーではなく、あくまで日常系です。大がかりな展開になりそうだなと思っても、最終的に日常に戻ります。私は変わらぬ日常の中のちょっとした異変、というようなストーリーが好きなので、楽しめました。
特に短所が見当たらないゲームなのですが、強いて言うなら中毒性が低いというのを挙げられると思います。明るくさっぱりした作風のせいか、余韻がほとんど残りません。なので、ドラマチックだったり泣けるような物語を求めている人には、不向きな作品かもしれません。
どのキャラも最後は明るく終わりますので、気になるキャラからやって問題ないと思います。PC版だとバサラルートはとても短いので、さくっと見られます(VITA版では長くなっているようです)。
《キャラ雑感》
・天現寺橋怜
好きなタイプの主人公です。襲い受ですぐ性的なことに結びつけたがるのですが、恋人ができたらちゃんと操も立てるので、だらしない人間ではありません。淫乱だったり性欲過多なわけでもなさそうなので、寂しいから人肌を求めるタイプなのかなー。下ネタをガツガツ口にするのは、照れ屋だからなのかもしれません。
作品全体の明るさは天現寺橋の性格のおかげだと思うので、彼のそういうところは今後も伸ばしていって欲しいです。派生作品である、東京メビウスラインというドラマCDも楽しいので、いつかゲーム化して欲しいなあ。
・上大崎優
初恋こじらせ系男子ですが、自分がこじらせていることをちゃんと自覚しています。だのでやりすぎることはなく、引き際を弁えて行儀良くしているのですが、たがが外れた時が本当に面白いです。
私は好きすぎて病んじゃうお坊ちゃんタイプが本当に好きなので、プレイ中はずっと笑顔だった気がします。何でも揃っているし、紳士的なのにも関わらずどこか残念な仕上がりなのが素晴らしい。
・目黒将人
上大崎とは真逆で乱暴だったり無自覚だったりするキャラですが、仕上がりが素敵な人。多分、ものすごくモテるタイプです。
正直目黒もいいんですよねー!シナリオ的には目黒の方が面白かったです。マイナスからのスタートという感じなのもいいし、目黒からなら奪ってもいいかみたいな空気が他の攻略対象の間にあるのも面白かったです。ドラマCDも良かったなあ。
・四谷
人外代表の人。この人のCV目当てで購入を決めたのですが、あまりハマる要素はなかったです。やっぱり偉い人外の人ってどうも感覚的によく分からないみたいです。人っぽくない雰囲気はよく出ていたと思います。
シナリオはなかなか面白かったです。あまりBLっぽくはなかったですが、ライドウとかにもありそうな暗い雰囲気の話でした。そういうのは好きです。
・バサラ
残念ながら、とても尺が短いルートでした。だので特別感想もないのですが、ルート外のバサラは良かったです。ぺらぺらしている時の方が好きだなー。そして大将は、言葉遣いが尊大であまり好きじゃないです。
VITAではだいぶ加筆修正されているらしいので、バサラが気になる方はVITAの方がいいかもしれません。ただメビウスと違い、東京陰陽師のVITA版はだいぶエロが削られているので、エロありがご希望でしたらPC版がオススメです。
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