箱プレイ

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共通→吉良ルート

 茶番スタート。
 主人公のひなこが、ひかるの代打としてヤンキー高校の入学式に行くところから物語が始まりました。ひなこは最初からひかるにはめられてたんだろうなー。

 というわけで三日ほどプレイしたのですが、意外とコマンド入力など自分で操作することも多く、飽きさせない作りになっています。読むゲームに飽きている人には嬉しい作りなんじゃないかな。
 システムに不満というレビューを読んだこともあるのですが、私は今のところ特に不満はありません。喧嘩バトルは迅速なコマンド入力を要求されますが、入力回数が少ないので、音ゲー的な大変さもありませんでした。
 絵や音声も問題なく、明るく綺麗な画面です。こういう風に色がパキッとした感じは三国恋戦記以来だなー。アニメ調の色はVITAに映えます。あと主人公のひなこがいい意味で中性的で、乙女ゲー主人公にありがちな女の子っぽさがないところが新鮮でした。耳も遠くなさそう。

 まだ誰を攻略するか決めていないのですが、何となく吉良さんによく話しかけています。この人はひなこが女子だって気づいている感じがするんですよね。
 他のキャラもみんないい人っぽいんですけど、ひかるだけはちょっとイラッとします。ひなこをむりやり拉致して自分の身代わりにしたくせに、「ミッションをクリアしないと出て行ってもらう」なんて意味が分からない。じゃあミッションなんかどうでもいいんで今すぐ出て行きます、制服返してって言って終わる話ですよな。何を言っているんだ、お前はと真顔になってしまった。
 ひなこが家族の温かみを知って手放せなくなった、というほどひかるに対して親しさを覚えているような描写もないし、そもそも接触自体がほとんどないので、プレイヤーとしては、はー?という感じしかしません。だいたい顔が似ている他人ってだけで、別に家族じゃないんじゃないの。もし血が繋がってるなら、ひなこだけ施設暮らしってどういうことだよ。

 吉良くんは、友達からキラリンってあだ名で呼ばれてそう。
 そんな感じで6月になり、体育祭の季節になったわけですが、とうとう漢度が80%になってしまった。乙女度を上げる方法が分からない…。しかしイベントは乙女っぽく、女装イベントなんてのもありました。体育祭の女装というと、VitaminXのゴロちゃんを思い出すなあ。あの絵は何かごつかった。

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 というわけで、吉良ルートに入りました。狙っているキャラに話しかけていれば、ルートに入れるようです。会話の種類が少ないので、また同じ話?ってことが何度かありましたが、ボリュームが少ないゲームだろうからこんなものかな。
 共通ルートは夏休みまでで、夏休み明けから個別ルートになるようです。個別に入るとセーブデータの絵が変わるので、分かりやすいです。

 そんな吉良ルートですが、ルートに入った途端微妙なストーリーになりました。吉良がひなこと仲良くしていることを顎で使われていると勘違いした2年達が反旗を翻し、再び一番を決める戦いが始まるんですけど、何で前半と同じようなことを繰り返さないといけないんですかねぇ…。もし永遠に戦い続けるなら一番を決める必要はないし、最後の一人になるまで殺し合えばいいんだよ。
 学校ではそんな感じで、プライベートでは一人暮らしをしている吉良先輩の元に弟が現れました。この弟はツンデレなのですが、中学生の身で父親のDVやエキセントリックな母親の対応を一人で背負っています。吉良先輩も過去、そんな家庭から離されて養護施設にいたことがあり、そこでひなこと知り合ったのでした。現在は荒れた家庭から一人離脱し、一人暮らしをしています。

 弟は一人離脱した吉良先輩を恨みつつも、強い兄に対しての憧れがあるようです。まあ弟はまだ義務教育期間だから兄と一緒に暮らせないっていうのは分からなくもないです。だけどDVしたりヤクザとつるんでいる父から引き離すため、養護施設に入るとかはできるんじゃないかなあ。それと弟を残して自分は一人暮しをしている吉良先輩もどうなのだろうか…。
 困っている弟を助けるのは知り合ったばかりのひなこなんですけど、そんな知り合ったばかりの他人より身内の吉良先輩が何とかしてやれよって思ってしまいました。
 吉良先輩は争いたくない人だから、噛みついてくる弟も苦手なんだろうなあ。別に不仲というわけではないし、結果的に仲良くなって終わるんですけど。

 恋愛的にはひなことメールのやりとりをすることになるのですが、素性を明かせないため、今目の前にいる男装ひなこと過去に知り合いだったひなこは別人という体を装ってメールだけの関係を築きます。で、会いたいという話になるわけですが、それを断ったせいで吉良先輩は落ち込み、どんどん無気力になっていきます。病んでるというわけではなく、もともとのっそりした感じの人が、ますます動かなくなったという感じです。
 そんな吉良先輩に対し、「過去の人間関係を忘れ、今の人間関係を大事にしてください!」と言うひなこですが、ひなことの思い出が唯一の幸せな記憶、みたいに言ってた吉良先輩にそれは勘弁してやってよ…。もし本当に今を生きろって言いたいなら、メールのやりとりなんかして気を持たせるようなことをしちゃダメだよ…。

 結果的に友情EDになったのですが、他のプレイヤー達はどうだったんだろうな、このルート。あまりにも褒めるところがなくて、これで本当に正しかったのか不安です。
 もしかしたら、私が見たのはbadだったのかもしれない。友情EDって出てた気がするんだけど。

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 というわけで乙女度を上げつつ取り損ねたイベントを回収し、別のEDも見ました。こっちは個別ルートに入ってすぐ正体がばれるので普通の乙女ゲーっぽい展開になりましたが、本筋は友情EDと同じでした。まあ、ひなこが真実を話さないせいで関係に溝ができていた友情ルートとは違い、こちらは意思疎通ができていたので明るい雰囲気でした。

 あくまで個人的な感想ですが、全体的な雰囲気はVitaminXに近いと思います。話はあまり印象に残らないけどシンプルで、明るい雰囲気です。マップ上にアイコンが現れ、それを選択するとちょっとしたイベントがありますが、会話パターンは少ないです。5個くらいしか選択肢がありません。会話形式でないイベントも、わりと短めです。でもストーリーに沿っているので、オズマフィアのようなぶつ切り感はありませんでした。
 基本的に一本道のストーリーで、よくある読むタイプの乙女ゲーと同じですが、喧嘩のコマンド入力があります。これはいらなかった。多分ほとんどの人がそう思っていると思います。音ゲーみたいなコマンド入力ですが、音楽に合わせるものではないし、特に演出が面白いわけでもないし、単なる作業のわりに後半は難しくなります。でも一度負けたら「勝ったことにする」というチートでクリアできるので、アクションが苦手な人でもクリア可能です。だのでなおさら、なくて良かったなーと思いました。

 全体的にVitaminXよりいまいちなところが目立ちますが、絵は良いです。主人公がピンク髪っていうのもいいんですよね。ポップな絵柄なので、キャッチーだと思います。一周がそれほど長くないというのもいいと思います。だけど何か軽い。
 さくさく終わるのがいい、明るい雰囲気がいい、甘さはほどほどで構わない、という人には向いていると思います。でもシナリオかシステム、どっちかは褒めたいなあ。喧嘩番長乙女はどっちも悪くないけど良くもないって感じなので、一言でまとめると惜しい作品だなと思いました。
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