Code:Realize 〜創世の姫君〜
シナリオ …■■■■□
システム …■■■■□
グラフィック …■■■■■
キャラクター…■■■■□
一番好きなキャラ…カルディア
良い…全体のまとまり、演出、音楽、グラフィック
悪い…ストーリーに少々粗がある
《総評》
好感を持てる主人公、badを見なくてもコンプできるシステム、ストーリーと音楽とグラフィックが良く、愛着を持てるキャラクター達などたくさんの長所が揃った作品です。私が今までプレイしてきたオトメイトの作品の中では、群を抜いて完成度が高いと思いました。
体から毒を発し、触れるものを全て汚染してしまう主人公カルディアが、毒を消すためルパン達と共に父親に会いに行くというのが本筋です。攻略キャラも皆それぞれ事情を抱えていて、彼らもまたカルディアの父親に会う理由があるので、目的が一緒ということで協力することになりました。
共通ルートは長めですが、蒸気機関車や気球などが出てくるので、スチームパンクが好きな人にとっては見所が多いです。それと基本は冒険譚なので、全体的に糖度は低めです。
攻略制限があるルパン以外は、誰からでも始めることが可能です。事前に特に関心のあるキャラはいなかったのですが、プレイしてみるとどのルートもそれぞれ見応えがあり、続きが気になる物語でした。
ホラー風だったり、ほのぼのだったり、各ルートでテイストを変えて飽きにくくしてくれているのも良かったです。全体的に重い設定で怖いシーンや悲しいシーンもあるのですが、じめじめしているわけではなく、最後には苦難を乗り越えた爽快感を味わえるのも良かったです。
上記にある通り、とにかく共通ルートが長いです。個別ルートがないのではと不安になるほど長いです。例えるならRPGで延々ムービーが続いているような感覚なので、ここで躓く人もいると思います。ですが二周目からは飛ばせますので、何とかそこを抜けて一周だけでもまずはクリアして欲しいです。
あと、カルディアの毒を解決できないルートが多いです。その代わり、攻略キャラの事情は解決できているので、もともとカルディアの毒は今作できちんと解決するという設定ではなかったのかもしれません。物語としては特に破綻はなかったので、綺麗にまとまっていると思いました。
それと、人によっては糖度が低すぎて物足りないと感じるかもしれません。恋愛がメインのお話というよりは、恋愛もあるゲームというくらいで考えるとちょうどいいと思います。
ノベルゲームが好き、スチームパンクが好き、糖度が低くてもそれほど気にならない人なら、ぜひプレイして欲しい作品です。
以前アニメにもなっていましたが、ゲームの方がずっと出来が良いので、アニメは合わなかったという人もゲームなら楽しめるかもしれません。ハラハラするシーンやちょっと怖いシーンもあるので、そういう作風が好きな人にもオススメです。
ですが、badはトロフィー取得やEDには関わってきませんので、badが充実している作品を求めている人には向かないと思います。EDは各キャラ一つで、この作品はハッピーエンドを目指す物語です。
オススメ攻略順は、フラン→ヴァンorサン→インピー→ヴァンorサン→ルパンです。どのルートも攻略キャラは優しいですし、胸くそ悪い展開にはなりませんが、ヴァンとサンのルートは怖いシーンが多いので、間に和み担当のインピーを挟むのがオススメです。でも好きな順でやっても特に問題ないと思います。
ちなみに、私はサンのルートが一番好きです。
《キャラ雑感》
・アルセーヌ・ルパン
万能キャラかと思ったら意外にも戦闘手段がなかったりなど、ハラハラする展開が多かったです。愛嬌があって、可愛らしいキャラだったなあ。最初にカルディアを助け出すところもかっこよくて良かったです。
でも真相担当キャラだったせいか、ルパンルートというよりは細かい謎を回収するルートという感じだったので、ルパン自体の印象はそんなに残らなかったのが残念です。
・エイブラハム・ヴァン・ヘルシング
わりと天然でした。クールかと思ってたけど実際は熱かったり、意外性のある人でした。
ヴァンルートも好きなんですよね。怖い背景もあったので、ホラーを楽しむ感じでドキドキしました。
・ヴィクター・フランケンシュタイン
この名前だから何か怪物を作ったんだろうと思っていたけど、なるほど!という話でした。やっぱりこの人もちょっと熱くて意外性がありました。
・インピー・バービケーン
ボケ担当。もともとインピーは攻略キャラではなかったらしいですが、和みポジションとして、いてくれて良かったです。
全スチルの中で、彼の過去のスチルが一番好きです。
・サン・ジェルマン
サンジェルマン伯爵が出ている乙女ゲームがあるらしい、というのがこの作品に興味を持ったきっかけだったのですが、まさかこんな設定のキャラだとは思わなかったなあ。意外性に関してはこの人が一番だと思います。
badを楽しむゲームではないんですけど、このルートのbadは怖くて楽しかったです。
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