うたの☆プリンスさまっ♪ Repeat(PSP)
シナリオ …■□□□□
システム …■■■□□
グラフィック …■■□□□
キャラクター…■■■■□
一番好きなキャラ…トキヤ
良い…キャッチーなキャラクターと音楽、明るい世界観
悪い…笑いを狙った寒いノリ、スチル以外の絵が雑
《総評》
このコピーでだいたいの世界観が分かると思いますが、お、おう…って感じのシナリオです。一応フォローすると、不愉快な感じではありません。ただ心に響かないというか、おじさんのダジャレを聞いて愛想笑いをするような時間が半分くらいある、という感じです。
そういうノリが嫌いじゃない人にはわりと面白いと思います。私は半々なので、たまに笑いましたが、だいたいは静かに○ボタンを押していました。月末試験に辿り着く頃には、何が起きたのか忘れていることも多々ありました。シナリオなんておまけです。
全体的な流れは他社のゲームのVitaminシリーズと同じです。一月が一話で、話の最後に音楽の試験があり、期間は一年です。つまり、十二話+十二回の試験がある、という感じです。
シナリオは上にも書きましたが、基本おまけなのであまり気にすることはありません。スチルを見るまでの過程、EDに辿り着くまでの過程、と考えてください。幸い、短くまとまっていますし、システムも快適なのでサクサク進行できます。
一応シナリオ的に優遇されている人もいますので、全員微妙というわけではありません。私は真斗やトキヤは結構面白かったです。隠しも別の意味で面白かったです。
ではうたプリの良かったところは何か、というと、キャラや音楽のキャッチーさ、音ゲーの作り込み、を挙げられると思います。音ゲーは横か縦のスクロールのみにして欲しかったな、とか改善して欲しい点はあるのですが、これがメイン、というレベルの作り込みにはなっていると思います。
その音ゲーの部分で少しずつキャラソングが流れてくると、一緒に音楽を作っている感覚になれます。ED時には歌声も入るので、アイドル物としてはよくできた流れだと思いました。
普通はシナリオでキャラを掘り下げるものですが、うたプリに関しては、音楽作りやできあがったキャラソングでそのキャラの性質が分かる、という感じになっていますので、シナリオは本当におまけです。声優さんの声を聞くタイムで良いのです。
それと、基本的にどのキャラも最初から主人公に好意的なので、その点でもギスギスすることなくプレイできると思います。好意的すぎて暴走するキャラもいますが、生温かく見守ってあげればいいと思います。
これはなかなか難しいですが、アニメから入った人の場合、ゲームは展開が淡々としすぎていて、盛り上がりに欠けるかもしれません。アニメであるようなバカなノリ、カオスな展開、謎演出みたいなものはなく、グラフィックがしょぼいのも手伝い、静かに物語が進んでいきます。これは結構寂しかったです。
しかし、アニメと違い一キャラずつの尺を充分取れていますので、設定を知りたい方にはゲームも楽しめると思います。実際私はアニメではトキヤに全く関心がなかったのですが、ゲームで好きになりました。
ヒット作と考えなければ、特に問題のない凡作と言えると思います。中途半端な部分もありますが、面白いと思える部分もあるので、平均したら普通、という感じです。ですが、「あの」「アニメ化した」「大ヒットの」なんて枕詞がつくと途端にハードルが跳ね上がり、思っていたよりは面白くなかった、つまらなかった、という感覚になると思います。
期待しすぎなければ、充分楽しめる作品です。音ゲーが好きだとか、アニメのうたプリで音楽が好き、気になるキャラがいる、なんて人にはプレイをオススメしたいと思います。
主人公はおとなしくて健気なので、好きなタイプでした。凡人が突然作曲の才能に目覚め…?!なんてトンデモ展開ではなく、もともと才能があったところも◎。
《キャラ雑感》
・一十木音也
暴走系男子。でもみんなを引っ張るような明るいムードがあるし、このゲームは終始淡々としているので、彼のように暴走するくらいのキャラがいた方が、話に起伏ができていいんじゃないかな…。
特にトキヤ編ではいい仕事をしてくれたと思いました。個人的にはわりと好きなキャラです。出会いの印象も良かった。
・聖川真斗
武士。
それだけでは何なのでもう少し書くと、私の好きな真面目すぎて何かおかしいタイプの人です。他社のゲームで言うと、GS2の氷上くんや、三国恋戦記の子龍は性格が近いと思います。
彼は顔も綺麗だし、こういうタイプの人が好みってプレイヤーは結構多いんじゃないかな。シナリオでも笑わせてもらいました。まず、主人公→真斗の呼び方が面白い。最初に攻略したこともあり、愛着のあるキャラです。
・四ノ宮那月
彼もなかなか暴走する人でした。シナリオはわりと複雑ですが、ここでドーンと来てバーンとなってビシッと解決した!という感じで理解しました。考えるんじゃない、感じるんだ。
キャラのデザイン的には一番好みかも。こういうふわふわの金髪で体が大きいキャラにメガネ、って何か新しいなと思いました。さすがという感じですが、歌も素晴らしかったです。
・一ノ瀬トキヤ
アニメと違い、ゲームでは可愛いところもあってとても良かったです。この可愛いところに関してはシナリオのネタバレになるので伏せますが、うたプリで初めて悶絶するような感覚になりました。相当可愛い。トキヤは可愛い。
彼もわりと真面目すぎてどこか変、って人でした。何となくうたプリ全体に漂うシュールな雰囲気の一部を、トキヤが担っている感じ。攻略する場合、トキヤか真斗をラストに持っていった方が、気持ちよく終われると思います。
まあ、その後に気持ちよくない隠しがあるんですけども。
・神宮寺レン
大好きなCV諏訪部なのに…という感じ。
シナリオがまずいって言うより、思っていたのと違うって感じかな。斜に構えているだけかと思ったら、想像以上に厭世的なキャラだったので、扱いに困りました。何でゲームの中の人に、こんな気を遣わなくてはならんのか。
兄のブラコンっぷりもなかなか面白い。
・来栖翔
彼もなかなかカオスなシナリオでした。でも印象的なシーンがいくつかあったので、目が滑るという感じではなかったな。印象的なシーンが別に恋愛とは関係ない、っていうのが特徴的です。雨の日のランニングとか。
最初から家来がどうたらとか言い出すので、ちょっとアホな子なのかな?と思ったら意外とまともで、でもたまにとんでもなくアホなことをするので、ネタ的な意味で目が離せませんでした。
キスシーンで中の人が思っていた以上に頑張ってらっしゃったのも印象的でした。えっ、下野さんが?と二度聴きしたのはいい思い出。下野さんというとラスエス2か替え歌のイメージしかなくて、あーこういう演技もできるんだ…と思いました。
そのせいか、全体通して一番イベントがエロだなーと思ったのは、翔くんな気がします。内容的には別にそんなエロでもないんですけども。
・隠し
もう最初から訳が分からなかったです。一つだけ言えることは、これは乙ゲではありませんでした。
笑えるシーンもありましたけど、笑いを狙った寒いノリのほとんどが、この隠しキャラのシナリオに入っていると言っていいと思います。
ただ、終わった後に不思議な達成感は得られますので、悪い内容とも言いきれない(フォロー)。
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