箱プレイ

《総評》

ミニゲーム集ではない

　各キャラそれぞれにシナリオ二本、ミニゲーム+チビキャラによるイベント、ポーカー、ちょっとしたデートシミュレーションがあり、他にもおまけコーナーがあります。ポーカーは普通のポーカーです。
　シナリオは短めで、印象としては、チビキャラが全体の4割くらいを占めています。結構な割合で出てきますので、チビキャラが好きではない人は要注意です。個人的には可愛くて好きです。

　ミニゲームは、はまるほどではありませんが、コツが分かれば高得点を出せるので、私はわりと楽しかったです。しかし難易度変更ができないのは惜しいと思いました。それがあれば、良いコンテンツだったと思います。
　一人のキャラに絞ってミニゲームをこなせばそのキャラのED、そうでない場合はノーマルEDを迎えられます。このノーマルED以外でも、バイト先でのワイワイした感じを楽しめる、チビキャラによるイベントがいくつもあります。
　キャラの喋るセリフは結構多いので、声優さんのファンも楽しめると思います。

ファンディスクはこれ一つで良かった

　ストーリーはサスペンスとラブの二種類がある、というのが今作の特徴ですが、ラブはLATERの焼き直しのようなものなので、LATERを出さずにCROWDでまとめれば良かったのでは、と思いました。個人的には主人公の独白が減った分、CROWDのシナリオの方が馴染みやすかったですが、目新しさは感じられませんでした。
　サスペンスはシナリオが薄いものの、ちょっとした仕掛けもあり、本編の怖い部分が戻ってきた感じで良かったと思います。何だかよく分からないハラハラ感がこのゲームの持ち味の一つだと思うので、ないよりはある方がずっと良いです。あのキャラの、あの顔を見られただけでも大満足。

LATERとの比較

　CROWDの方がいろんなコンテンツが入っていて面白いと私は感じましたが、乙女ゲームのFDとしてはLATERの方が合っているのかな、と思いました。糖度で比較すると、やっぱりCROWDの方が落ちるとは思います。私はEDよりEDに行くまでの過程を楽しむ方なので、そういう人にはCROWDの方が楽しめるかもしれません。
　それと今回は、LATERにはなかった鬱展開やBAD EDも戻ってきています。FDでBADなんてあまり聞いたことがないですが、それだけこのゲームにはBADが求められているんだなあと思いました。

追加キャラとは何だったのか

　このキャラは、攻略対象にはなりません。
　それだけならまだいいのですが、脇役にしても存在感がなさすぎる。好きとか嫌いとか言う以前に、ほとんど出てきません。比較的多めに出てくるシナリオもありますが、役割はイッキのファンクラブと大差ないので、モブでも良かったと思います。
　誰がこのキャラの扱いを決めたのか分かりませんけど、考えた人はお話作りに向かないんじゃないかな。正体もあっさりバレていますので、次回作への布石にもならないと思います。
　私は確かにこのゲームではもやもやするのを楽しんでいますが、スタッフが何をしたいのか分からない、そんなもやもやはいらないのです。デザインとキャストは良かったと思います。その点に関しては、全く不満はありません。