箱プレイ

《総評》

ストーリーもおまけも盛りだくさん

　軽食を食べるつもりがフルコースが出た、って感じのFDです。FDにしてはボリュームがあるので、コンプまで時間がかかりますが、長く遊べる分、コスパは非常に良いと思います。
　ストーリーも、セシル、ニール、レオニードは二種ずつ、その他の攻略対象や、攻略対象にはならなかった脇キャラのシナリオも一種ずつあり、この世界観を好きな人には大満足の充実っぷりです。脇キャラで一人だけ色が違うストーリーがあるのですが、これが特に読み応えのある内容でした。

　セシル、ニール、レオニードのストーリーは、新規のものと無印の特典を絵付きにしたものの二種です。特典の方は音声を録り直したものらしく、もともとレオニードの特典は持っていたのですが、違う感じになっていました。あと少しシナリオが増えていたように感じました。
　やっぱり絵が付くと全然違いますね。音声だけじゃいまいち分かりにくかった部分も、絵が付くことで分かりやすくなっていました。体位とか。

全体の流れ

　まずはすごろくでお金を稼ぎ、そのお金で買い物をします。ショップではストーリーや、ミニゲーム用のパーツなどが売っています。とにかく最初はすごろくです。このすごろくで見たシーンも、Extraに収められていきます。
　このシーン集めはランダム要素もあるので大変ですが、Extraを開いた時のセリフに特に影響はないようなので、コンプ必須というわけではありません。でもどれも面白いので、見られるなら見た方が良いと思います。

　Extraを開いた時のセリフに影響があるのはCGですが、CGを全て集めるにはタイピングも頑張る必要があります。これがとても面倒くさい。
　タイピングはどういう層に需要があるのだろうか。誰でもできる、攻略が難しくないコンテンツだからだろうか。でも、タイピングに面白さはありませんよね。面白いと思う人もいるかもしれないけど、少数派だと思います。タイピングは面白くない。
　あってもいいけど、軽く一周したらCGを回収できるくらいのボリュームで良かったです。

神ゲーのファンディスク

　無印できれいに完結していますし、ほぼ完璧と言える出来だったので、やっぱりそれのFDというと蛇足の感は否めないと思います。それは製作側も分かっていたことだと思いますし、もちろんプレイヤーも分かっていることなのですが、それでもこのお話が好きなのでもっと見たい！という要望に、メーカーが応えてくれた結果がこのFDなのだと思います。
　ちょっと多すぎるくらいのボリュームも少ないよりはずっといいですし、脇キャラや脇カプのその後や過去、本編で見たかった本筋とは関係のないあれこれが、この一作にぎゅっと詰まっています。正に、Giftという名に相応しい作品だと思いました。