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Si-Nis-Kanto

BLアドベンチャーゲーム「Si-Nis-Kanto(シニシカント)」

シナリオ   …■■■□□
システム  …■■■■□
グラフィック …■■■■□
キャラクター…■■■■■
一番好きなキャラ…カルロ

良い…シナリオにボリュームがある、安定したシステム、カルロルート
悪い…ユーゴルート(後述)、セーブロード画面を開くと毎回1ページ目になるところ


区切り


《総評》


  • シニシカントは、こんな話

  •  孤児になった主人公マキは、社会から隔絶した島にある学園で、何不自由ない生活をしていました。
     そんなある日、島に黒蓮会とZENCAという、二組のヤクザがやってきます。彼らはどちらもマキを手に入れようとするのですが、その理由は、マキがある大物のドナーに適しているからでした。そこで初めてマキは、この学園が生徒を売る人身売買の組織であることを知ります。
     黒蓮会はその大物の為にマキの心臓を使いたいと思い、ZENCAはその大物に死んで欲しいので、マキをドナーにはさせたくないと思っています。こんな出だしから話がスタートします。

     ルートは、1.黒蓮会チーム(移植相手である大物の味方)、2.ZENCAチーム(移植相手である大物の敵)、3.マキの味方チーム(大物の生死に関与しない。マキの味方)の三つです。あくまで個人的な意見ですが、1がメインのストーリー、2はメインのストーリーとはほとんど関係ない恋愛物、3は真相、という感じがしました。
     攻略対象は三人ですが、一つのルートが長いので、物足りなさは感じないと思います。BLシーンはそこそこ多いですが、時間はそれほど長くないので、サクサク数をこなすという感じでした。

  • ルートによって、明暗が分かれたシナリオ

  •  ルートによって、シナリオのクオリティ、キャラの設定、演技、CG等に差はありません。どのルートも一定の水準はクリアしていると思います。ですが、ルートによって内容に差があります。好きなキャラだから良く見えるとか、そういうことではありません。
     大まかに言うと、ユーゴルート(黒蓮会チーム)はマキの心臓を狙うという設定上、マキが死ぬことを望む展開になるので、最初から最後までずっとbadという感じです。goodルートですらbadに感じるくらい、ずっとbadです。

     逆にカルロルートは、ただ黒蓮会の邪魔をしたいだけ、という弱い動機で行動しているので、主軸はカルロとマキの恋愛物、という感じです。普通の恋愛物ですし、特別新しい展開があるわけではないですけど、これでいいんです。BLはボーイズラブなんですから、ラブがあればそれでいいんです。
     三つ目のルートであるエシカルートも、きちんと恋愛物になっています。二人の関係が育まれる過程はあまりないんですけど、それはもともとマキとエシカの仲が良いからだと思いました。

  • ユーゴルートについて

  •  ユーゴは嫌いじゃありません。黒蓮会にも面白いキャラはいますし、マキの心臓云々がなければ普通に楽しめたと思います。しかし、ユーゴルートは基本常に、マキが死ぬことを望まれています。
     一応黒蓮会にも、マキに悪いと思っていたり、嫌な役目だと思っている人もいます。しかしユーゴは、マキの心臓をもらうことに一切の躊躇いがありません。
     これはユーゴがちょっとアホなキャラで、難しいことを考えられないからであって、決して無慈悲な性格だからではありません。想像力がないので、単純に移植相手である大物を助けたいというだけなのです。

     このゲームに限らず、ちょっとアホで単純、難しいことは分からない脳筋系というキャラはよくいますが、悪く転ぶとこういう風になるんだなあ、というのがよく分かるシナリオでした。良く言えばおおらかですが、悪く言えば無神経です。この無神経な部分が際立っているルートでした。
     私はプレイ中にかなり苛々し、回想含めて再プレイはしないつもりですが、逆に言えば、それだけうまく作られたシナリオなのだと思います。そして、シニシカントという話を描くためには、やっぱりこのルートは必要だったのだと思います。でもそのせいで、ユーゴルートの楽しさはなくなってしまったと感じました。

  • 地雷になりそうな要素について

  • ・攻略キャラが受に回るシーンがいくつかあります
    ・攻略キャラが主人公以外(女性含む)とセックスする描写があります(シーンはカットされている場合がほとんどです)
    ・薬物使用、殺人、出血する絵、シーンがあります(欠損等のグロ描写は無し)
    ・主人公が攻略キャラ以外とくっつくEDがあります
    ・主人公が女扱いされるようなシーンがあります

     地雷として考えられるのはこのくらいですが、どれもサラッとしていますので、ちょっと苦手なくらいでしたら気にならないレベルだと思います。前の彼女など、他に好きな人がいた、というような展開はありません。
     正直、そのBLシーンはなくても良かったんじゃ?と思うこともありましたが、このメーカーで初めての作品らしいですし、ちょっと頑張ってBLシーンを多めに入れようとしたのでは…と好意的に考えることにしました。

  • オススメかどうか

  •  上記の地雷要素にそれほど抵抗がないようでしたら、強くオススメしたい作品です。ユーゴルートについては賛否両論あると思いますが、お話としては面白かったと思います。badが好き、という人には普通に楽しめるのではないでしょうか。
     それと、何となくBL小説をそのままゲーム化したという雰囲気の作品なので、BL小説を読む感じでプレイできました。私はどちらかというと、BLはゲームより漫画や小説の方が馴染みが深いので、他のBLゲームより読みやすかったです。


    区切り


    《キャラ雑感》


    マキ
     プレイ前は、女の子みたいな可愛い系主人公かー…と思って特別期待していなかったのですが、実際はわりと男の子っぽい、素朴な感じのキャラでした。中の人の演技のおかげもあると思います。それと、ルートによって着ているものが変わるのが新鮮で面白かったです。ありそうでなかった感じ。
     そういえばこのゲーム、ボイスセーブがないんですよね。普段あまり必要だと思わないんですけど、マキの言い方が可愛いシーンがいくつかあったので(「わがまま」とか「そんなことはしないよ」とか)、ボイスセーブが欲しかったです。


    ユーゴ
     このルートはBLではない、と思えば、心が穏やかになる気がします。BLじゃないなら仕方ない。恋愛物じゃないなら、熱々じゃなくても仕方ない…。
     でも、もう少しユーゴのいいところを描いて欲しかったなあ。ユーゴ自体は嫌いじゃないんですけど、今後もモヤッとした気持ちは続くと思います。


    カルロ
     萌えすぎて死ぬかと思った。
     マキとカルロが熱々しすぎて、ちょっともうこれ以上無理です、見てられない!と落ち着くための時間を必要とするくらいの、とんでもないいちゃいちゃルートでした。このルートをプレイして思いましたけど、BLはずっといちゃいちゃしていていいんじゃない…?仲良しで…いいんじゃない?badな展開は求めてないよ!
     でもカルロルートを楽しめば楽しむほど、ユーゴは何だったのかと思ってしまうので、100%楽しい気分にもなれないんですよね。ユーゴ救済ルートが欲しかったです。やっぱりゲームを終えた後は、みんな好きって結論で終わりたい。


    エシカ
     もともとこのゲームはエシカ目当てで購入したので、それなりに満足しました。でも、カルロルートでのえぐい部分がもうちょっとエシカの本ルートで出ていればなあ。エシカルートは爽やかだったけど、カルロルートではエシカさんって呼ばないとまずい感じだったので、そういうところがもっと欲しかったです。
     でもキャラとしてはすごく良かったです。こういう二面性があるキャラはやっぱり面白い。あとマキに好意を感じる過程は、エシカが一番いいなと思いました。


    その他
     このゲームは脇役の存在がとても大きいと思います。ユーゴルート、カルロルートというより、黒蓮会ルート、ZENCAルートと言いたい感じなんですよね。どっちのファミリーも特徴があって良かったです。中の人も兼役だったりするのに、全然違う感じで素晴らしかったです。
     BLと関係ない部分ですけど、脇役のキャラが立っていると世界に広がりを感じるんですよね。そういうのは派生にも影響してくると思うので、今後の展開も期待しています。
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