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ラッキードッグ1

lucky dog1

シナリオ   …■■■■■
システム  …■■■□□
グラフィック …■■■■□
キャラクター…■■■■■
一番好きなキャラ…ジャン

良い…快適なシステム、練られたストーリー、キャラ設定、世界観
悪い…既読スキップがない(スキップ自体はある)


区切り


《総評》


  • 救済と回復の物語

  •  何らかの不幸な事情を抱えた攻略対象四人が、ラッキードッグと呼ばれる強運の女神(♂)と生きることで自分の抱えている問題を乗り越えていく、そんなストーリーです。
     もう少し細かく言うと、主人公のジャン(ラッキードッグ)自身も攻略対象と共に過ごすことで強運に後押ししてもらえるようになるので、相手を裏切るような選択をするとどちらも不幸に、つまりbad EDになります。badになるような選択肢は分かりやすいので、普通にプレイしていればノーマルにはなれると思いますが、序盤の脱獄までは複雑なので、攻略を見た方がいいと思います。
     ノーマル、ベスト共に終わりが爽やかで後味がすっきりしています。

     出会いによって自分の中の問題を解決し、新しい一歩を踏み出す、というテーマは、萩尾望都の『トーマの心臓』も同じですね。私はこういうストーリーが好きなので、はまりました。救いがあるって素晴らしい。
     ラッキードッグのキャラクター達もそうですが、不幸な事情がきれいさっぱり解決するわけではありません。もう取り返しのつかない問題もあります。でも、その問題を直視できた段階で、概ね解決できてるんですよね。そのきっかけをジャンさんがくれるわけです。
     このように、二人でさまざまな困難を乗り越えていく、というのを丁寧に描いたシナリオです。

     でも、攻略対象達はジャンさんと出会えて良かったなーと思うのですが、あまりにも良すぎて、他キャラのルートの時に、攻略対象外のキャラがどうなるのか心配になります。ジャンさんと恋人になれなくても、ジャンさんの存在で癒やされるのだろうか。
     それと作中にも出てきましたが、『オズの魔法使い』がモチーフみたいですね。他にも、『赤毛のアン』が、あるキャラのシナリオによく出てきました。

  • ただの神ゲー

  •  これはYABAI。音楽も良すぎてYABAI。
     私はノベルゲームがあまり好きじゃないんですけど、ノベルゲームであるこのゲームにはがっちりはまりました。それはつまり、ストーリーが面白いってことです。ノベルゲームはストーリーが相当面白くないとやってられないのですが、面白ければただ小説を読むよりはまれるんだなと思いました。
     他にも、吹き出しに現れる表情の変化や、スチルのタイミングなども良いです。そして特筆すべきは、声優さん達の熱演です。大事なことですから、太字です。
     ファンの人は買うしかないですよ…!と机をドンと叩きたい気分ですが、普段使ってらっしゃる名前ではないので、詳細は書きません。聞けば一発で分かると思います。

     エロなシーンを全部抜いても面白いと思える内容なので、BL、更に18禁、ということでハードルが高くなってしまってるのが残念だなあ。でもそういうのを省いても、わりと過激な暴力シーンがあるので、その点でも18禁って感じかな。
     マフィアものが好きとか、エログロは結構いけます、なんて人はやってみたらいいと思います。キャラクターはそれぞれ長所も短所も持っていて、そこがとても良かったです。敵方の狂犬キャラも魅力的です。

     わりとBLって、ゲームに限らず、主人公が女の子でもいけるんじゃないの?っていう内容のものが多い気がするんですけど、このゲームに関しては乙ゲに変換することはできないな、と思いました。bad EDを考えると、女の子が主人公だと実際に事件としてありそうで、楽しむどころか気分が沈むと思いました。
     BLってちょっとファンタジーが入っているので、少々悲惨な展開でもあまりリアルな感じがしないんですよね。それでもbadは、ワー…と若干引きながら見ました。演技がうまいから痛々しさが半端じゃなく、セリフ回収のために仕方なく見ましたが、もう一回見る勇気はありません。

  • 短所を強いて言うなら

  •  このゲームが面白すぎて、次にプレイするゲームが霞むことかな。
     どんだけだよって感じですが、相当面白いです。万人受けはしないと思いますが、作品自体のクオリティが高いので、プレイして「何だこれ…」と思う人はいないと思います。システムも良好ですが、バックログからシーンを巻き戻して見ることができれば完璧でした(バックログから音声再生はできます)。
     BLってよく知らない、という人も、嫌いじゃないならプレイすればいいと思います。ただ、スチル等ではそういうシーンは細かく描かれませんけど、文章でグロ展開が少々ありますので、そういうのに耐性がないときついこともあると思います。

  • オススメ攻略順

  •  ベルナルド→ジュリオ→イヴァン→ルキーノの順でやりました。泣くのが平気な人だとイヴァンラスト、さっぱり終わりたいならルキーノ、もやっとしても平気ならベルナルドかな。
     エンディングは爽やかなので、ジュリオラストでもいい気はするんですけど、グロ多めなので人を選ぶと思います。グロ苦手な人は早めにやった方がいいと思いますが、一周目だと気持ちが萎えると思うので、最初はベルナルドかルキーノがいいんじゃないかな。
     個人的に糖度はイヴァン>ジュリオ>ベルナルド>ルキーノ、エロ度はベルナルド>イヴァン>ルキーノ>ジュリオだと思います。

     私の場合、だいたいいつも初回は一番気になるキャラ、ラストは二番目に気になったキャラの順でプレイします。たいていプレイ後は全然違うキャラを好きになるのですが、今回もやっぱり、特に気にしていなかったイヴァンとジュリオを気に入りました。ベルナルドやルキーノも良かったのですが、年下組のピュア展開に負けました。
     最初は共通ルートですが、その間にも個別イベントがちょいちょいありますので、周回プレイも苦にはなりません。個別ルートに入ると、敵対組織との抗争という大まかな部分は同じなものの、攻略キャラによって展開が変わるんですよね。
     これ○○のイベントで見たわ…というのはほとんどなかったです。それぞれのキャラの立ち位置がはっきり分かれているので、同じ事件なのにキャラによって見える景色が違う、という感じです。
     つまりただの神ゲーということです。大事なことですから(略)。

  • 購入について

  •  同人ゲームなので、amazonなどでは売っていません。
     公式サイトを見ると詳しく載っていますが、アニメイトやステラワースなどで購入できます。この二つのお店は今月(2012年10月)ラッキードッグ1フェアをやっていますので、興味を持った方はこの機会にプレイしてみたらいかがでしょうか。


    区切り


    《キャラ雑感》


    ジャンカルロ
     主人公。
     いわゆる総受(誰に対しても女役の意)のポジションですが、一番男らしいキャラでもあります。絵で見る限りでは普通に可愛い感じなのですが、声とか喋りがイケメンなので、そのギャップが良いです。受とは言っても年齢的に大人のキャラですし、かっこいい感じの方が私は好きです。
     まあ、続編ではロリ化が進むジャンさんなんですけどね…!それはそれでまあ、可愛いです。
     しかしジャンさんの包容力は半端ないな。badに行くために感じの悪い選択肢を選ぶと、ジャンさんがジャンさんじゃないみたいでせつないです。


    ベルナルド
     駄メガネ、と密かに心の中で呼んでいます。有能なんですけど、優柔不断なんですよなあ。でもそういう、何でもかんでも素敵、って感じじゃなくて、ちょっとだめなところがあるくらいの方が可愛いですね。意外とこのメガネは可愛いところがあるのです。変態ですけども。
     この人だけは両刀っぽい感じだなあ。他のキャラ(ジュリオを除く)はみんな女性を好きっぽいんだけど。ソフトな印象なので、たまに男っぽいところを見せるとドキッとします。
     だ、だまされないんだからね!駄メガネ!(///)


    ルキーノ
     マッチョイケメン。どう考えてもかっこいいだろ、この人の短所とかありえんだろと思いましたけど、プレイしてみたら意外と心が弱かったりして、やっぱりそれ含めてこれはモテるわぁ…と思いました。女はみんな俺に惚れる的な話がありましたけど、偉そうとは全然思いませんでした。
     だってモテるもの。こんなにモテるって言われて納得したことはありません。多分年とってもずっとモテるタイプ。ガチモテ系。
     飄々としているジャンさんですら、ルキーノには最初から「かっこいい(///)」って感じでした。これには何かニヤニヤしました。BLというより、男でも女でもかっこいいわぁ…って思われるタイプだと思います。まあ、あの声じゃな。モテないわけないよ。


    ジュリオ
     いわゆる恋愛ものではあまりいない、変わったキャラです。グロ担当で、感情の起伏に乏しく、狂犬と呼ばれるほどの戦闘員で……と設定が盛りだくさんです。少年漫画にはライバル役で出てきそうな感じかなあ。
     ただそういうごつい設定のわりに、声がキラッキラしていて澄んでらっしゃるので、わりとえげつない展開はあるのにサワーっと風が通り抜けるような心地よさを感じられます。この声優さんで良かった。
     本編でもちょいちょいありますけど、続編等ではジャンさんに対する態度と、ジャンさん以外に対する態度の温度差がすごくて面白いです。
     攻略対象では、ジュリオが一番面白いキャラだと思っています。


    イヴァン
     オチ担当と言われたりしますが、最初のおっかない感じから後半のピュアーな感じへの流れがもうね。これは負けたわー!と白旗を力一杯振る気持ちです。他の人のルートでも、何だかんだイヴァンはいいやつなんですよね。もう…かっこいい。(///)
     攻略対象の中では、イヴァンが一番かっこいいと思ってます。結構かっこわるいシーンもあるんですけど、最終的にかっこよすぎて生きるのがつらい、と思うので、かっこいいんだと思います。かっこわるいシーンがなかったら、かっこよすぎて死ぬレベルだったので、そういうシーンがあって逆に良かったです。心臓が保たなかったです。
     でも、ノーマルとベストEDがありますが、ベストEDは号泣ものだったので、私的にこれはベストではなかったです。ノーマルでいい!

     しかし、イヴァンの中でジャンさんはマジ天使なんだなあ。ジュリオにとっては太陽・神で、年上組二人にとってはオナペットって感じだな、ジャンさん……。
     そう考えると、シナリオ的には年上組は気楽です。年下組は真剣すぎるから、こっちも体力を削られながら萌えました。
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